第97回:入社の「ドタキャン」について

6月12日にアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩氏が歴史的会談をシンガポールで行うことが決定されました。

当初は「やっぱやんない」的なムードも広がりつつありましたが、最終的には水面下で交渉が進んでいたようで米朝首脳会談が来週に行われることが確定しました。

シンガポールには記者等ジャーナリストが3,000人から5,000人ほど今週末から入ってくるとの予想があります。

世界から関係者が大挙して押し寄せて来ることにより、シンガポールの注目度も上がり、経済的にもプラスになるのではないでしょうか?

もう直前の「ドタキャン」は無いと信じますがまだ何が起こるかわかりません。

さて、最近はシンガポールでも「人手不足」「人材不足」が叫ばれています。

特に弊社では、飲食業界や流通業界のお客様が多い為、サービス販売員やホールの採用依頼が多いです。

募集広告を出して、応募者を募り、書類を選考し、面接のアレンジを担当の方のスケジュールを調整しながら行い、面接そして条件提示、採用通知と一連採用活動の流れを行います。

実はこの記事を書いている3時間半前に弊社の顧客の社員の入社日を控えておりました。

当該新入社員よりICコピーも提出してもらい、雇用契約書を作成し、本日がめでたく「初出社の日」でした。

企業の方では、本社に稟議書を上げ、承認をとり、現場では、NEW RMPLOYEE CHECK LISTや接客マニュアルを用意し、またタイムカード、ユニフォーム、名札まで準備していましたが、1時の約束の時間になっても来る気配がなく、勤務開始が1時半と設定しておりましたので、なにか都合が悪いことができたのかと思いましたが、SMS、What’s APPでも返事が無いため、電話もしましたが全くつながらず。

2時まで待っておりましたが、結局いわゆる入社「ドタキャン」を喰らいました。

若いスタッフでしたが、面接に遅刻もせず、また昨日までは普通のやり取りをしていたにもかかわらず、まさかの連絡なし「ドタキャン」。

私も含め、期待を込めて本日の入社を心待ちにしていた関係者は失望しましたし、何より、採用にかけた「時間」が全く無駄になってしまいました。

もちろん、「雇用契約書」はまだ締結していませんので、雇用は成立していませんが、途中で行きたくなくなったのであれば、せめてその「理由」を契約締結する前に「おばあちゃんの面倒を診なくてはならなくなった」等、本当かどうかは別として家族に関する理由、あるいは、急に今日の午前中に他のところから良いオファーをもらったとか「辞退理由」を明確にすべきと思います。

以前大手の日系企業で採用が決まった人が入社日になっても来なく、SMSを送ったら「I don wanna go to this company la」(原本のまま)と返事が来ました。

理由は一切なく、またすぐにコールバックしましたが電話は一切受け付けず。本人的にはsmsの送信ボタンを押したときに全ての責任が終了したのでしょう。

この企業の担当社長からは会社が用意したPCの弁償をそのスタッフにさせると憤慨しましたが、雇用契約締結はまだでしたので、逆に訴えられる危険性もありましたので抑えましたが、入社日の「ドタキャン」は企業にとっては大ダメージです。

またその採用活動に従事するエージェントや人事担当者にも多大な迷惑をかけます。

まだ「職」のチョイスが溢れているのかもしれませんが、その前に一般的な常識をもって働くことにプライドをもってほしいと切に思いました。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2018年6月7日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋

コラム執筆者

斉藤 秀樹
斉藤 秀樹プログレスアジア 代表取締役
1966年東京生まれ。大学卒業後、小売・流通チェーン「ヤオハン」に就職。1993年より香港本社へ転勤後一貫して人事に携わる。同社清算後も大手人材紹介会社「パソナ」のタイ現地法人社長を務めるなど複数社で人事・経営に携わる。
2006年、タイ国立マヒドン大学経営大学院にて経営学修士取得後、シンガポールにグッドジョブクリエーションズを設立、2014年に同社売却。
2014年6月、シンガポールに、プロの人事集団「プログレスアジア・シンガポール」を設立。真に東南アジアでビジネスを展開する中小企業をサポートすることを使命に再び起業の道を歩む。