8月1日より、シンガポール人の雇用を優先する制度「フェア・コンシダレーション・フレームワーク(FCF、公
平性を考慮する枠組み)」が始まりました。

昨年は毎月と言ってもいいほど外国人雇用に関する施策が目まぐるしく変化した年でありました。

EP(エンプロイメント・パス=就労ビザ)やSパス(労働許可証)の最低給与の水準が10%上がり、外国人の急激な流入に対して政府がハードルを高くした格好となりました。

昨年には新卒レベルの20 代前半の日本人男性のビザが、月給4,000 Sドル(約33 万円)でないと下りない事例も発生し、2008年の基準である2,500 Sドルから1.6 倍のレベルに達しました。08 年当時は暗黙の了解で「年齢×100 Sドル」が現地採用日本人社員の給与基準でした。つまり労使双方が納得していました。

FCFでは、とにかく「シンガポール人優先」の雇用政策を一段と強化する姿勢を前面に打ち出しており、これもシンガポール人が激怒した求人広告「Non-SingaporeanPreferable」(できればシンガポール人以外で)の告発が発端だったのかもしれません。

普段はデモや政府への批判は封じられており、比較的おとなしいシンガポール人が「Singapore for Singaporean」とプラカードを掲げて抗議行動を盛んに行い、内外のニュースソースになっていました。

このようなシンガポール国民の声に過剰ともいえる(?)反応を示したのが人材開発省です。従順な国民の「反旗」に何かをしなければならないということになったのでしょう。

これを機に、FCFが「シンガポール人への就労機会の均等」と「排他的な人材採用をする企業への厳格な措置」をメーンに訴える運びとなりました。

FCFでは、今後新たな外国人を雇用する際に必要なEPを申請する企業は、労働力開発庁(WDA)の求人求職データバンク(ジョブズ・バンク)に最短でも14 日間登録する必要があります。

例外は、従業員数が25 人以下の企業による求人、または待遇が月収1万2,000 Sドル以上の求人案件です。筆者が以前に7年間経営していたグッドジョブ・クリエーションズでも月収1万2,000 Sドルを超える求人は皆無であり、この2番目の例外条項ははっきり言ってほとんど無意味です。

ネット求人サイトでは「Jobs.DB.com 」や「Jobs.Street」が有名ですが、この政府のジョブズ・バンクのサイトはまだ開発中であるとはいえ、見づらい印象を受けました。

従業員25人以上の外国企業はシンガポールでは実質的には中堅から大企業となり、雇用主の項目を見ると日系もほぼ大手と言われる上場会社、また世界的に有名な企業が多数求人広告を出しています。

「本当に」ジョブマッチができるのであれば、企業としては人材紹介会社を通さなくても直接採用できることとなり、また求職者も全く求めていないジョブポジションを、人事の「じ」の字も知らない若年コンサルタントから「押し売り」されなくても済むかもしれません。

実際弊社の協力会社が試しにジョブズ・バンクに企業登録をして詳細にわたる求人広告を出してみたところ、良い候補者が応募してきて面接後採用の運びとなりました。

人材紹介会社やネット系求人サイトはEPの発給規制に加え、このFCFによりかつてのように気軽に外国人向けの求人広告が打てなくなっており、これからこのジョブズ・バンクが脅威になる可能性を秘めています。ただシンガポール人のホワイトカラーにはあまり相手にされていないのも現状です。今後の動きに注目していきましょう。


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