60回でシンガポールにおける労働力逼迫が終了したことをお伝えしました。逆に日本は全都道府県で有効求人倍率が1倍以上、東京では2倍、東京の新宿区の2016年10月の管理職有効求人倍率は3.8倍とバブル時代並の求人倍率になっています。

話は少々それますが、筆者が日本の大学を卒業した1991年はバブルの終焉間近の大量採用時期で、何もしなくても一人内定が3社は出るほど採用状況は良かったです。その頃、携帯電話は普及しておらずまたインターネットもない時代でしたので企業は企業説明会を「ハガキ」で学生宅にバラマキ、企業説明会に参加するだけで、交通費全額支給、また5000円の企業の人事部の直通電話番号入りNTTのテレフォンカードを出していました。受ける気は全くない企業の説明会に出向きテレフォンカードをもらってきたのを覚えています。

一方、当地シンガポールにおける採用状況は求人数が求職者を下回る傾向が続き、また管理職の6ヶ月における再就職率は50%を切り採用状況は劇的に変化しています。その動きを敏感に察しているMOM(人材開発省)は、11月25日に、2017年1月1日以降、6ヶ月以内に5人以上をRetrench(人員削減)する場合は必ずMOMに報告しなければならないとの決定事項を発表しました。雇用状況に関して、敏感以上に危機感を感じているのが裏付けられますが、突然の発表とまたその施行の迅速さはシンガポールらしいです。

この義務違反をした雇用主は5,000ドルの罰金を課すともあり、努力義務ではなく、行政処分付きの厳しい法令になっています。背景はIrresponsible Retrenchment(無責任な人員削減)が横行している兆候があるということで正しくデータを取る目的があるということです。ただ、シンガポールに進出している外国企業にとって一つの経営的メリット(リスク回避)は「解雇のしやすさ」と「労働市場の流動性」でありますが、今後<無責任>な解雇に関してある一定の歯止めを掛けたいとの思惑があるかと思います。

さて、今回のお悩みは、「社員のながら作業を許せるか」です。とあるサービス業の人事担当者から、社員のポカミスが多いのは、仕事中に仕事以外の事を<ながら>作業しているからなのではとの相談を受けました。あるデータによりますと社員の7割以上が勤務中に仕事以外の事をしているとありました。かつての<仕事以外>といえば、ほとんど私用電話やチャットでしたが、今はユーチューブ、スマホゲーム、SNSへの返信、場合によってはオンラインショッピング等多岐に渡っています。という筆者も、仕事の合間に「大谷2億7千万円かぁ」とかスポーツニュースを見たりはしますがほんの2、3分です。

問題なのは、仕事をしながら音楽を聞いたりしながら、またちょこちょこ上司の目を盗んで流行りの動画を見ながら仕事をしているが故に、任された職務を遂行できていないことです。厳しい企業であれば、検索エンジンや動画サイトにはつながらないようセットしたり、社員のネット使用状況を監視するシステムを導入したりしています。これはいわゆるX理論(社員はもともと怠惰であるから最初からムチを打たないと駄目)ですが、当該サービス業の場合、片耳だけで聞く「音楽」は認めるようです。その他のながら作業、特にスマホゲームや動画鑑賞はご法度ということで当該社員に伝達しました。

成果・ゴール設定を明確化し、それに対して自ら進んで努力をさせようとするY理論に基いて、スタッフを育成していくことになりました。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2016年12月8日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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