アメリカのトランプ大統領が令和時代初めての「国賓」として日本を訪問しました。

ゴルフ、相撲観戦、炉端焼きと日本を訪れたい観光客がうらやましがるような「おもてなしコース」でした。

また新天皇とも宮中晩餐会に参加し日本とアメリカの親睦が深いことを内外に示しました。

そのアメリカと中国の「貿易戦争」の長期化により、東南アジア主要6カ国の経済成長が鈍化し始めているとの報道がありました。とりわけ中国向けの輸出の落ち込みが目立っており、今後も影響は広がっていくことが予測できます。

経済成長が鈍化していきますと、企業の雇用にも影響が出てきます。

シンガポールでも少子高齢化が進み、平均年齢はすでに45歳を越えようとしています。

その45歳から54歳までの再雇用率(失職してから180日以内に再就職できる率)が著しく低下している現状、政府としてもなんとか企業で採用を促してほしいとのことで「キャリア・トライアル」制度をはじめました。

その制度の内訳は、もちろんシンガポール国籍を保持している人で、男性であれば通常のナショナルサービス(徴兵制)を終了している人が対象となっています。

その中で。40歳以上で12ヶ月以上失職している失業者を6ヶ月以上雇用した場合支給給与の50%最大3500ドルまで補助するというもので、さらにプラス6ヶ月継続雇用をした場合、支給給与額の30%、最大2100ドル、さらにプラス6ヶ月継続雇用した場合同20%最大1400ドルの補助が出るというものです。

MOM(人材開発省)直轄のWSG(Workforce Singapore)が始めました補助制度です。

以前は40歳上12ヶ月の対象でしたがこれが6ヶ月以上になり、年齢の制限もなくなってきました。

裏を返せば、それだけ、失職者が増えているということでしょう。

また、最近のニュースでは引退しても、CPF(年金)以外にも月額2,000ドル以上の収入が必要との意識調査の結果が出ています。

そのWSGが主催するJOB FAIRに先般、弊社が人事代行を行っている日系企業とともに参加致しました。

この「キャリア・トライアル」制度は企業にとって「ウケる」のだろうと、WSGの職員はやたら進めてきます。

ただ、企業側の要求としては、いくら給料の半額補助してくれると言っても、パフォーマンスが半分以下で、なおかつ組織内においてまた違う雇用形態ができてしまうと、組織内の統率も取れないとのことで「お断り」をしました。

お断りをしたところ、とある職員からはこんなにいい制度なのに使わないと「損」とばかりに半分押し売り的に進めてきました。

昨年11月JOB FAIRでは6時間の開催時間で3人しかブースに来ませんでしたので。

トライアルより候補者をもっと集めてほしいと要望をしました。

結果的には29名面接することができまたその中から数名の採用決定者を決めることができましたので、結果は両極端でしたが、前回の反省を踏まえていたことを感じました。

ただ、その29名の中には元シンガポール航空のトレーナーを30年ほどしていて引退した60代の方や、24時間スーパーで働いていた白髪の初老の方、また少々発達障害のある方など、企業としては、いくら給料を半額出すと言われても、採用する決定には至らない方々が午前中に目立ちました。

どうも「数」だけを揃えているような雰囲気もあり、他のブースをみてみますと、あまり積極的にはそのような候補者は最初から受け付けていなかったように見えます。

話を聞いてみますと、パンを食べていいかなければならないマズローの欲求で言う「生理的欲求」ではなく、自分はまだまだ社会に必要とされてほしい「社会的所属の欲求」の面が目立ちました。

ただ、自分で「起業」するほどの野心はなく、どこか雇ってくれたら御の字というような方もいらっしゃいましたが、すでに「ミスマッチ」が生じています。

「キャリア・トライアル」はそのような「ミスマッチ」を防ぐ意味でとにかく企業に雇って失業率、再雇用率を下げようとの思惑ですが、そもそもその思惑が失敗しているように映ります。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2019年5月30日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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