シンガポールは8月9日に54回目の建国記念日(ナショナル・デー)を迎えました。

8月に中旬になるとその他アジア各国でも日本の植民地支配からの開放による独立記念日がありその時期なると「戦争」の記憶が思い出されます。

インドネシアの場合は日本が撤退したあと元宗主国オランダが再び植民地化しようとしたところを、日本の残兵と一緒に戦い追い出したという歴史もあり、中華系以外の一部のインドネシア人からは日本に感謝されるケースがあります。

シンガポールの健康記念日もいつもながらの催し物、戦闘機による演出、最新の兵器の(軍事)パレードとほぼ毎年同じながら、シンガポール人的にはお祭り的ムードもありそれなりに盛り上がります。

その「祭り」の後にシンガポールのリー・シェンロン首相から恒例の「ナショナル・デー・ラリー(NDR)が発表されます。

いわゆる今後、国の行く末を決める施政方針演説です。

その中で一番目を引いたのは、定年と再雇用の年齢引き上げアップです。

毎年「雇用」に関するテーマは注目を集めますが、今回のターゲットは「外国人労働者」ではなく、「高齢者雇用」に関するものでした。

その背景は極端に進む「少子高齢化」、中高年層の再就職率(失職してから180日以内に再就職できる率)が30%台と社会的な要因が挙げられます。

シンガポールの出生率は世界銀行の2016年時点の発表では1.20となっており人口を維持するための2.10の出生率が必要と言われている中、年々低下しています。

女性の社会進出が進んでいることも出生率が上がらない要因かもしれませんが、単純に子供を生むデメリットが大きいことが考えられます。

国は「ベイビーボーナス」等、瞬間的な補助をしておりますが、継続的な補助は特に大きなものはなく、メリット(家族が増える喜びや将来親の面倒を見てくれる期待感等)よりデメリット(一番あげられるのは<お金>つまり子供に費やす教育費、仕事を失うかもしれない不安等)の方が大きいと考える人が多いからでしょう。

さて、今回の「引き上げ」は、2030年までに現行の62歳の退職年齢を2022年までに63歳に引き上げ2030年までに65歳にします。

また再雇用年齢を現行の67歳を2022年に68歳に引き上げ2030年までに70歳するというもの。

採用の現場からは確実に50代後半~60代前半の応募者が増えています。

先般64歳のシンガポール人男性と面談を致しました。実年齢よりは若く、(当たり前ですが)時間通り面接来ますし、受け答えも紳士的でした。

当該雇用主は、当初は採用決定に躊躇をしておりましたが、一日で辞めてしまう若手の社員よりは継続雇用が期待できるとのことで採用を決定しました。

既に退職年齢の62歳を超えておりますが、人手不足に悩む飲食業・小売業の方々からは「継続雇用できるスタッフ」を求めており、その点では経験を積んでいる実年齢より若い高齢者は戦力になりうる場合もあります。

しかしながら、現状は「できれば若いマレーシア人が良い」など、雇用側としては、一生懸命働く外国人労働者を求めている声があります。

ただし、Sパスも含め外国人雇用の枠をどんどん狭めている施策に対してはシンガポール人雇用を積極的に行うしかありません。

その中でまだまだ現場で十分働ける高齢者雇用は、雇用主も積極的に考える時が来ているのかもしれません。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2019年8月22日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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