シンガポールは珍しく先週3連休がありました。5

月1日がメーデーで中国・香港では「労働節」と呼び、マレーシアでは「レイバー・デー」としてアジア各国や世界では共通した「国際祝日」でありましたが、5月に大型連休がある日本では何故か祝日にはなっていません。代わりに「勤労感謝の日」があるからでしょうか?

そのメーデーの日に労働関係のニュースが沢山ありました。

MOMのトップであるタン・チュアンジン人材開発相が「シンガポールの労働市場のひっ迫は2020年まで続く」と発表しました。

2030年までに人口が690万人になりその内の約半数が「外国人」であることを発表した「人口白書」があまりにも衝撃的で、その後シンガポール国内で、反政府集会が開かれたりして、政府も外国人労働者の抑制策を進めざるを得ませんでした。

限界がきているにも関わらず、経済成長を維持する為に少ない労働力で生産性を上げる努力が必要と相変わらず強気なメッセージを訴えていました。そ

の生産性を上げる手段としては、シンガポール国民のキャリア意識を変え「労働集約型経済」から「人的資源主導型経済」への転換をしていかなければならないことと、必要なインフラの整備が不可欠との見解を示しています。

「言うが易く行うは難し」のような印象を受けますが、とにかく外国人労働者の流入を極力防ぎ、シンガポール人主導による労働市場を作りたいと躍起になっている感があります。

実際の撤退事例を見ていますと、生産性を上げることは十分やっていますが、「人」の件で撤退した事例が実際に増えているのは事実です。

その一例として、日系の中小商社の撤退事例に触れたいと思います。この商社は当地で10年以上の実績があり、社員数は一時期、十数名いたほどでした。撤退の理由はいくつかあるものの、その大きな一つの理由として「優秀な人が採用できない」がありました。「優秀な人」=「給料の高い人」ではありません。「仕事のできる人」が優秀で、勿論破格な人件費を出すわけにはいきません。

決定的だったのは、今までEP(労働許可証)が下りていたベトナム人従業員の更新が却下されたことでした。

経験も豊富ですし、日本語もできる、「中華系ベトナム人」でいずれはベトナムに帰る予定があるものの、その企業に取っては最重要スタッフでした。勿論シンガポール人も雇用していますが、雇用の中心はマレーシア国籍を含めたシンガポール人に比べたら給与額が多くはない外国人が多数を占めている現状、政府としてはシンガポール人の雇用を促進しているということで「却下」につながったのではと分析していました。

ぎりぎりの経営をしている中、主力メンバーのEP更新が悉く却下され会社のメーンフレームを維持できなくなってしまったことが撤退の引き金になってしまいました。

勿論給料を2倍に上げれば更新申請が通ったかもしれませんが、その同等の賃金で生産性の高いシンガポール人が採用できるとは思っておらず、最終的にはシンガポールを撤退しタイに活路を見出すことになりました。

この他にも最近進出されたITサポートの会社が募集広告を出しても人材紹介会社に依頼しても応募者がほとんど来ないとの悲鳴の声があり思うように採用できなく事業が展開できない状態が続いています。

「募集をすればすぐに人が集まる」と思っていたので大きなギャップを感じていました。日本もそうですが急激に「人出不足」が進んでいるようです。

Daily NNA 2015年5月14日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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