シンガポールは2015年8月9日に建国50周年を迎えようとしています。

筆者がはじめてシンガポールに来た時は1987年で当時はMRTもなく、タクシーも交渉制(いわゆる白タク)、セントサ島に行くには船で行き、島内はペンペン草がボウボウに生えており、やる気のないモノレール(今のではない)が島の主要地を回っているだけでした。

その後1989年に留学をした時には既にMRTも出来上がっており、タクシーもメーター制になっていました。またその当時は建国25周年の準備をしており、「ワンピーポー、ワンネーショー、ワンシンガポォー」の歌が町中に流れていました。

この歌はシンガポールのロングヒット曲で今回の50周年でもまた復活しています。ただ、私の印象ですが、事前には「あまり、盛り上がっていない」気がします。

政府はこの祝日の間には「外国に行かないように」とアナウンスするほど、この時期外国旅行を計画しているシンガポール人は多いです。私の友人も7日から16日まで欧州に行きます。4日だけの有給休暇で10連休が取れる千載一遇のチャンスを生かすところは「さすが」と思いました。

パレードは後で何度も再放送されるのでそれを見ればいいとのこと。冷めているというか現実的です。

さて、MOM(人材開発省)の最近の発表で一番驚きましたのは、シンガポール人の専門職、管理職、経営幹部(PMEs)PMEの略は、それぞれ、Professional・Managerial・Executiveで、昨年まではこれに技術職、Technicalが入っていましたが何故か消えていました。シンガポール国籍の優秀な技術者がいないということでしょうか?

最近では、タイでも政府でも、タイにおける外国企業の雇用も単純労働者から管理職へのシフトを促しており、製造業の工場からR&D(研究開発)の拠点として成長させたいと言っています。

タイの場合は外国人労働者にはワークパーミットが必要で最低賃金が定められています。また外国人1名につき業種にもよりますが最低資本金200万バーツの払込とタイ人の雇用比率25%を条件としていますので外国人の雇用制限がかけられています。

シンガポールはそのような規制が無く、また英語を公用語としていることから、外国人の労働力の流入が増えてきました。

適度な競争の中でシンガポールもシンガポール人も成長してきたはずですが、最近では「Singapore First」(シンガポール優先)が叫ばれ、競争についていけない国民が不満不平を言い出し、政府も次から次へと規制をかけるようになってきました。

このシンガポール人の為のPME採用支援策は、10月1日から2年間実施するとのことで、6ヶ月以上求職活動をしているシンガポール人を、中間管理職以上として月給4000ドル以上で雇用した起業に対して、採用者が50歳以上の場合に、最初の半年間の月給の40%(最大2800ドルつまり7000ドルの月給まで)40歳から50歳の場合20%をWDA(労働者開発庁)が補填支給するというものです。

「雇えばカネを出す」政策は、一瞬採用企業にとってはメリットがあるように思えますが、人材紹介業経営を15年ほど行ってきた筆者から見れば、6ヶ月以上無職の50歳以上の求職者には競争力、能力、継続意欲が欠けており、率直な感想としては採用しても続かないですし、IT化や合理化による管理職の数を減らしていくトレンドの中でこのスキームがうまくいくとは思いません。

とは言うものの、外国人に職を奪われたと思っている「不満分子」に対しても何らかの政策を打たないとダメだという危機感を持っていることが分かります。

あと3日でシンガポール建国50週年を迎えますが、真の競争力を持ちつつ新たなる次の50年を目指してほしいと願います。

Daily NNA 2015年8月6日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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