今年2015年8月9日はシンガポールの建国50周年の節目の日でした。

新聞でもSG50のロゴを付けた各プロモーションが目につきました、筆者が特に驚きましたのは、2015年度の税金が50%(最大S$1,000まで)と半額になったことです。

これもいつの間にか決まっていたようでしたが、このような施策ができるのもシンガポールならではと思いました。

また今年に限り前日8月7日の金曜日が特別祝日になり、月曜日の振替休日を含めると4連休でした。

海外旅行に出かけた人も多かったですが、8月9日は島内の交通機関が全て無料になったり、観光地域のアトラクションが半額になったり、期間中在住のシンガポール人はそれなりに恩恵を受けたようです。

ただ、5,6年前と比べると国旗掲揚が少なくなってきた印象を受けました。全盛期の2割ほどの印象で「慣れた」のか「愛国心が薄れた」のか分かりませんが、色々な意味で「節目」なのではと思いました。

このナショナル・デー休暇が終わった週にMOM人材開発省から突如「見せしめ」的ニュースが入ってきました。

シンガポール人の雇用や人材育成に消極的な38社に対して指導に乗り出すとのことです。調査対象は150社でこれらの企業を調査した所、38社でシンガポール人の雇用率が平均を下回っていたとのことと、専門職、管理職、経営幹部職いわゆるPME職の育成を行っていないとのことで、その対応策として、この38社を厳しい管理下に置き、EP申請に関しても場合によっては外国人雇用の禁止もあり得るとのことです。

この38社の社名が明らかになっていないことから、「政府の茶番?」、「日系企業は入っていたのか?」「選挙前のパフォーマンス?」「EPにもついに規制が入るかも?」等、私の周りでも様々な憶測が広がっています。

このコラム上でも何度も触れておりますが、企業は外国人を優先的に採用しているのではなく、仕事のできる人を採用したいだけです。

その採用者が適格でない場合、企業には利益・業績をもたらしません。その後的確な採用活動で「獲得」した社員を教育・育成をし、仕事に対するモチベーションを上げることが人事の鉄則です。

シンガポール政府はとにかくシンガポール人の雇用優先策を次々と打ち出しており、昨年8月に「フェア・コンシダレーション・フレームワーク(FCF、公平性を考慮する枠組み)」に基づき、JOBS BANKを導入しました。

従業員数が25名の企業に対して、このJOBS BANKへ同職位の求人広告を14日間掲載することを義務付けました。ある大手日系企業の人事担当者は「とにかく載せりゃいんでしょ?」とシンガポール人を雇用する気は全くなく単なる事務処理だと言っていました。

もう一人の経営をしている人は高い人材紹介手数料を払うのなら無料でシンガポール人を見つけることができると最初は募集広告を出していましたが、いかにもジョブレスな40代後半~50代の応募が目立ち最近では見る気もしなくなったとの事です。開設時は9万件のJOBSが掲載されていましたが今は6万件でした。

このJOBS BANKもこのまま形骸化するかと思いましたが、今度は今年の10月1日から同サイトの求人広告に「給与の範囲」を明記することを求めることになりました。

なぜ今更「給与の範囲」を載せなければならないのか疑問です。これも何度も言っていますが、優秀な人=給料の高い人ではありません。

「仕事のできる人」が優秀でそこに適切な待遇がついてきます。最初から給料ありきの人材は大抵長続きしていません。1ドルでも高い職場を転々とするからです。

建国50周年を迎えましたが、外国人雇用に関してのジレンマはまだ続きそうです。

Daily NNA 2015年8月20日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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