最近日本でも大きく報道されました、国境なき記者団の発表する各国の「言論の自由度ランク」が発表されました。

相変わらず北欧系が上位を占めている格好です。日本は昨年よりマイナス11ポイントと大きく順位を下げて71位でした。最下位180位がアフリカの小国エリトリアで179位が北朝鮮でした。

71位は半分以下でないものの、マスコミの取材の仕方や記事次第で記者も処罰されかねない特定秘密法があり真実を黙殺される恐れがあることと、テレビの電波を止める権限があるかの如く発言が総務大臣から発せられたりしている現状が見られたと思います。

東南アジアはすべて半分以下のランクです。インドネシア130位が最高順位というのは「意外」でしたがシンガポールは東南アジア最下位2番目の154位でした。

その背景として、シンガポールではメディアを厳しくチェックするメディア開発庁がオンラインコンテンツを含む報道コンテンツを検閲していることで言論の自由、特に政府批判を封じていることが挙げられます。

首相を批判した有名ブロガーが禁錮21年の刑になったことも影響しています。世界経済自由度指数が1位なっているのと相反しているところが面白いというか絶妙なバランスだと思います。

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さて、今回のお悩みは日系の中小メーカー様からの「有給休暇の買い取り」についてです。

業績不振の従業員を解雇する計画があり、当該社員が残している有給休暇をどのようにしたら良いかとの相談でした。

当該社員の給料は3,000ドル台後半で雇用法の適用外であるので、法的な適用はありません。あくまでも雇用契約書の解釈、従業員就業規則に明記されているかどうかの要素が必要です。

筆者の場合、2006年より2社に渡り経営を続けて来ましたが辞める社員に関しましては、懲戒解雇(2名)を除き、保有有給休暇日数×在籍期間(最終所属日=最終的に給料を支払うまでの日)÷12(1年)で計算し支給をしてきました。

途中で退社するものの、最後の日まで持っている「権利」だと思うからです。これも法的には拘束されませんし、雇用契約の中にも入れていません。感謝というか気持ちの問題です。

ただ、今回のケースは「懲戒」ではないものの、業務不適格による一般解雇ですので、有給休暇の買い取りはしないという決断をされるようです。

当該社員には、いわゆる通告期間分の給料を保障し、次の日から出社しなくて良い旨を話すとのことです。

通告日を4月の最終日(4月29日)とし、5月30日までの給料を支払い有給休暇は6日ほどあるようですが、その買い取りはしないとのことです。

会社に来なくていい代わり1ヶ月の給料をあげるのだから毎日が有給休暇なのだからその点は問題ないでしょうとの見通しです。

確かに法的には買い取る必要はありません。ただ社員側の立場に立つと「年末の旅行に取得するためにとっておいたのにそれがなくなるのは辛い」というように思うかもしれませんが、シンガポールは幸か不幸か「解雇の自由」は法的にも認められており、雇用契約に解除権の項目があればそのまま適用されます。

社員が頻繁に辞める会社では、「まるでアルバイト感覚で入社し辞めていく」とぼやく現地責任者も時々お見かけしますが、それも契約上の社員の権利であり、解雇権を持つ会社としては文句を言うことはできません。

最近は「不当解雇」をMOM(人材開発省)に訴える解雇された従業員もいるようですが、その場合は雇用契約書が存在していなかったりするケースで、言った言わないレベルの言い争いです。

とにかく解雇の自由さがある点も「経済自由度指数1位」の国である所以なのでしょう。

Daily NNA 2016年4月28 日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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