弊社で総務・人事支援サービスをさせて頂いているレストランが今週末で閉鎖することになりました。開業は昨年の9月で事業ライセンスを取り最初は集客に苦労していましたが、ようやく常連客・リピーターも増えてきた矢先、日本の親会社社長より2週間前に通告を受けました。

シンガポールで飲食業を営んでいる方の一番の懸念材料は、レンタルフィの高さと従業員の確保です。内情までは詳しくは知り得ませんが、経費>利益の赤字構造の連続している状態で、このまま赤字拡大させる前に締めてしまおうとの判断だと思います。

レストランには努力してきた日本人の現地採用の他にローカル採用のスタッフがいます、弊社も含めなんとか従業員の確保に苦慮し、雇用契約書を結んだばかりなのにすぐに解雇というのも従業員の立場を考えますと辛いものがあります。日本人の現地採用者はシンガポールでの転職は考えず、東南アジアの他国に新天地を求めるそうです。

シンガポールも含めた東南アジアで飲食業を営み、経営を持続するためには、相当な努力が必要です。サービスの向上も目指していきませんと、すぐに飽きられてしまいます。「出せば儲かる」と進出支援をサポートしている会社はいくつかありますが、肝心のオペレーション支援を行っている会社は少ないのが実情です。

さて、今回の人事担当者のお悩みは、出向社員のご家族の歯医者の請求に関したことです。日本から出向命令で来られる赴任者及び帯同家族のほとんどは「海外旅行傷害保険」に加入しており、一般的な疾病に関しては全額カバーされます。

保険会社の方に話を聞きますと、ほとんど赤字(支払>保険料)とのことで本音は保険料を上げるか廃止にしたいとのことですが、他の大きな保険(工場や輸送に関する保険等)に加入してもらう為に用意せざるを得ないとのことです。現地でも最近は現地で入れる海外旅行傷害保険に該当する保険商品が出てきていますが、全額補償されない上に、保険料が割高とコストパフォーマンスが悪い場合もあります。

ちなみに、現地採用の日本人が待遇面で不満に感じていることは医療手当の格差です。現採なんだからしょうがないとの見方もありますが、海外旅行傷害保険で守られている駐在員とその家族と、月に50ドル程度しかカバーされない医療手当との格差は歴然です。

とはいえ、海外旅行傷害保険は「歯科」に関することは一切カバーされていません。その場合、日本で加入している健康保険組合に申請をしなければなりません。こちらでの歯医者は治療によっては数千ドルかかる場合もあり、日本の健康保険では30%の治療費で済むことから日本の総務を通して申請を行います。その際に日本の総務から通告があったのが、パスポートのスタンプをコピーして提出して下さいとの要求でした。

シンガポールではEP(労働許可証)を持っている人はマルチプル・ジャーニービザを同時に取得し、出入国に際してパスポートにスタンプは押されません。当該人事担当者は日本の総務にその旨伝えましたが、それでは保険が下りないとの一点張りで、まず何故ハンコが押されないのかの説明を延々としましたが、入国管理局に行って証明取ってきて下さいと言われブチ切れそうになったそうです。シンガポールの事情を知らない杓子定規にコトを進めようとする総務担当者と現地人事担当者との間に温度差がありました。

この一件で、日本の諸制度がグローバル(アジア)スタンダードに追いついていない現状を垣間見ることができました。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年5月18日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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