最近のシンガポールの気温は高めです。例年であれば旧正月(春節)が終わる頃には「暑季」が到来し太陽の位置(実際には地球の位置)が代わり強い日差しが降り注ぐのですが、今年は3月4月に入っても「雨季」のような雨が続き、どちらかと言うと「肌寒い」感覚でした。

シンガポール気象局の発表によりますと、2016年の平均気温は過去最高で平均気温は28.4度で10年ぶりに記録を更新しました。5月中旬に入り、この「肌寒い」感覚から一転、現在はまるで溜まっていた熱が一気に放出されたように急に暑くなりました。風もあまり吹かず街を歩いていますと熱波を浴びているような感覚になります。

タイのバンコクでも平年より気温が高く日によっては体温より高く、汗というより塩の結晶が体から出てくる感覚だと、駐在している友人が言っていました。東南アジアで高温多湿なのは当たり前ですが、少々「異常気象」ではないかと感じるようになってきました。

さて、今回のお悩みは、部下の叱り方がよくわからないという相談です。この方は中堅商社の営業マンで日本での実績が認められ「社のエース」としてシンガポール及び周辺の東南アジア各国のリージョナル・マネージャーとして家族帯同でシンガポールに赴任されました。部下は二名おり、1名は日本語のできるアドミン系の女性、もう1名は将来の責任者候補として新規採用した20代後半の現地男性社員です。

この新規採用社員とは机も隣同士でほぼマンツーマンで指導をし、現場にも同行営業を何度かしており、傍目から見てみると良き「師弟関係」を構築しているように見えます。しかし、当該駐在員によりますと、「同じミスが多い」、「これで良いんだと勝手に妥協点を決めてしまう」、「分からないのに何故聞いてこないんだ」とイライラ度マックスの状態で私に相談されました。

現地のスタッフからしてみれば、「上司からの指示が明確化されてない」、「与えられる情報が少ないので、そこまでしかやら(れ)ない」との言い分があり、双方の間に感覚の違いが存在しています。

赴任してまだ1年足らずで、日本では敏腕営業マンで部下とは「阿吽の呼吸」で仕事をしてきた為か、「いちいち言わないと分からないのか?」、「分からなければ聞け、聞かないのであれば理解しているとみなすのに何故同じミスをするのか・・・」という葛藤を抱えています。

シンガポール人の会社への帰属意識はアジアで最低クラスと言われています。このコラムで何度も申し上げていますが、シンガポール人を含めて世界的に勤労者は、会社という「箱」と契約するのではなく、JD(職務分掌=職)と契約をするのが主流です。アメリカの会社の雇用契約書を見る機会がありましたが、職務分掌に関わるページが全部でA4サイズの紙に2枚ありました。

つまりこの職務をすればこの待遇を得ることができる。逆に言えば、それ以外の職務をする必要はないということです。一方日本はまだまだ就「社」という感覚が強く、雇用契約書内のJDも極めてシンプルなケースも目立ちます。

日本では「阿吽の呼吸」で言わなくてもわかるだろ?的な感覚でも、現地では指示が無ければやらない「受け身」の対応が目立ちます。また当該責任者は、仕事の完成度をせめて70%位を期待していますが、現地スタッフは自信を持って100%で出してきていますが、実際には30%程度の出来だそうです。

このギャップを埋めるためには、やはり隣同士で適当に指示をするのではなく、真剣な「場」を作りフェイス・トゥ・フェイスで時間をかけてゆっくり話す重要性をアドバイスしました。その結果、今ではうるさいほど聞いてくるようになり、仕事の完成度も高まってきたそうです。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年5月25日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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