最近の「東南アジアブーム」により、引き続き進出をしようと考える日系企業はまだまだ増えてきています。

飲食業に関しては少々飽和気味ではありますが、居酒屋形態の焼き鳥屋さんからの進出検討の問合せを受けました。

地方の企業ですが、日本国内で東京や大阪に出すのであれば、もっとチャレンジングな「東南アジア」でとの相談でした。

その中でシンガポールに着目した理由は、先進国並みの所得とビジネスを行う上での透明性が魅力とのことでした。

まだ視察段階ですので、ジャカルタの大渋滞やホーチミンのバイクの多さなどはまだ想像はできるものの経験はされてない感じでした。

またある調査によると、東南アジア10都市の内、シンガポールの生活費は一番高く、また人件費も一番高いので、その中で高い家賃と人件費をカバーできる売上が作れるのかどうか慎重な試算が必要かと思いました。

さて、シンガポールは東南アジアの中でも高い人件費であることは間違いありませんが、2017年3月のMOM統計によりますと、シンガポール国籍とPR(永住権)の25週間以上仕事がない失業者数が前年比17%のアップの17,600人となりました。

その内の4割ほどが40代~50代のPME職(Professional, Managerial, Executive)と言われており、まさに賃金が高い管理職の失職が目立つようになってきました。

またこの層の25週間以内に仕事が再び見つかるかどうかの再就職率が著しく低下しており、高齢化になっていくシンガポールにとっては大きな社会的不安材料にもなりかねなくなってきました。

 

シンガポールの人口構造は外国人比率が全体の3割を占めております。

その中の20%程がEPやSパスを保持しているホワイトカラーの外国人で、残りの80%はいわゆるブルーカラー層で工事現場やFDW(メード)です。

 

2013年に求人広告の中に、Non-Singaporean Preferred (できればシンガポール人以外で・・・)やFilipino Welcomeのような明らかにシンガポール人を排斥する求人広告が目立つようになり、特に失職中のシンガポール人が珍しく反政府的なデモを行いました。

シンガポールは多民族国家であることから、雇用に関して差別が無いかどうかをチェックする機関、シンガポール雇用機会均等推進団体TAFEPを2006年設立しました。

TAFEPの頭文字のTはトリプルで、MOM(人材開発省)、NTUC(全国労働組合会議)、SNCF(シンガポール共同組合連合)の3者を指します。

以前は民族や宗教による雇用差別をチェックしていましたが、2013年から「国籍」項目が加えられ、求人広告で【違反】をしますと、行政的処分ではなく、譴責(けんせき)処分として、30日間の謝罪広告と半年の外国人雇用禁止が言い渡されます。

さらし首にして恥をかかせることがシンガポールっぽいですが、日系企業も数社チェックにかかり謝罪広告を出していました。

 

このようななんとかシンガポール人の雇用を中心とした施策を毎年いや毎月のように出して行き、2017年1月よりEP取得の為の基準を3,600ドルに引き上げました。

さらにこれに「ウォッチ・リスト政策を2016年ころから始めました。先ほどの譴責(けんせき)処分より、さらに強化しバージョンアップしたさらし首政策です。

 

日系企業の方々に聞きますと、この「ウォッチ・リスト」についての認知度は低くいつの間に?という疑問符がつきます。

ようするに、シンガポール人雇用を積極的に行っていない企業を抽出しリスト化し、行政指導を行うというものです。

相変わらず、その判断基準は曖昧で、指名された企業は「なんでうちだけが・・・」となるに違いありません。次号ではもう少し深くこの「ウォッチ・リスト」について述べていきます。」

 

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年7月6日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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