先週出張の為日本の東京に行ってきました。まだ7月上旬でしたが、既に日中の気温は30度を超えていました。

また日本の企業の会議室は室温が何故か26度の設定と、シンガポールのキンキンに冷えたオフィス・スペースに慣れている筆者にとりましては、常夏の東南アジアから自国に戻ってきたのにも関わらず、会議中は汗ダラダラでした。

 

日本では、アジア大学ランキングNo.1であるシンガポール国立大学の日本語学部長の基調講演があり、日本の私立大学の国際化を進めている各担当者が数名集まり熱心に耳を傾けていました。

日本の大学の懸念材料としては、年々学生数が減っていく中で、いかに内外から優秀な学生を集めるかが重要課題になっており、各大学の真剣度も高くなっているのを名刺交換しながら感じました。

さて、先週に引き続き「ウォッチ・リスト」につきまして述べていきます。

弊社の取引先と先ほどミーティングを致しましたところ、この「ウォッチ・リスト」の対象になった日系企業の話になりました。

先号で日系企業の間では「ウォッチ・リスト」の認知度は低いと述べましたが、実際に対象になった日系企業が存在することで、情報が伝達されていっております。

 

とにかく、シンガポール人雇用の優先に躍起になっており、EPの給与基準を毎回10%近くずつ上げていき、なんとかシンガポール人雇用に結びつけて行こうとしています。

そもそもこのEPの給与基準は、シンガポール国立大学や南洋工科大学を卒業した、いわゆるエリート層の初任給を基準にしています。

実際日系企業の採用マインドとしては、すぐに辞めてしまうエリート層より、就労経験を積んでいるポリテクニック卒業の人柄の良い人を選ぶ傾向があります。

 

この「ウォッチ・リスト」ですが、明確な判断基準は示されていないものの、1)シンガポール人を中心とした従業員構成を有さない。2)シンガポール人を中心とした人事育成の姿勢を示さない。3)シンガポール経済・社会と関連性が弱い。の3要件により、<リスト候補>に上げられます。

2017年の2月の段階では、前述の日系企業を含む250社が「ウォッチ・リスト」対象企業となりました。

 

対象企業は、MOM(人材開発省)が把握しているデータに基づき自動抽出され、MOMとTAFEPの連名により、通知書が何の警告も無しに突然届きます。

一度<リスト化>されますと、自動抽出によりますので、履歴は消すことはできません。

またEPの新規審査期間が3ヶ月以上となり、実際はリストから除外されるまで原則EP発給ができなくなると言われています。

 

既にEPの基準を急激に上げてきても効果が出てこないことにより、遂に「さらし首」的な政策を取らざるを得なくなってきたことが伺えます。

ではなぜ外国企業はシンガポール人の雇用に積極的にならないのかを考えますと、一言で言いますと「費用対効果」だと思います。

EPの取得厳格化により、外国人の現地採用ニーズは確かに減ってきていますが、20代後半から30代前半の独身男性や子供が幼児である家族連れのいわゆる若年駐在員は増えてきています。

 

給与の他に会社賃貸の住宅もEP申請時の<総額>になることからEPの発給基準は十分満たします。

また若手ですので本社の命を受けており場合によっては土日も働きます。

企業経営の観点から、そのような駐在員で固めた方がシンガポール人を含めた現地採用を雇うよりは<効果>があると考えることもできます。

 

そうは言うものの国の政策・指針には従う必要はあります。次号ではその回避策について述べて参ります。

 

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年7月20日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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