給与のバランス

毎年恒例になりつつある、THE(ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)が2018年世界大学ランキングを発表しました。

日本の報道機関でも取り上げられるようになり、日本でもこのランキングの認知度は上がってきています。

「世界」で見ますと、トップ20は相変わらずオックスフォード、ケンブリッヂ、ハーバード等英米19大学とスイス1大学で占められていて特に大きな変化は見られませんでした。

「アジア」で見ますと、シンガポール国立大学は「不動の一位」の位置を獲得したがごとくアジア・ナンバーワン大学として認知度を高めています。

先般7月に弊社の教育事業の一環として、シンガポール国立大学の日本語学科長を日本で講演して頂きました。

テーマは「世界クラスの大学の定義は?シンガポールを例として」というテーマで、これから大学の国際化を進めていきたい大学の担当者がきておりました。

その後各大学の方と名刺交換を致しましたが真剣度は高まっているものの、「国際化」が未だに「日本から視点」になっているような感じを受けました。

因みに日本の大学最高峰である東京大学は、アジアで7位、世界で46位と中国の大学にどんどん抜かれベスト3にも入らなくなってしまいました。

シンガポール以外の東南アジアでは、マレーシアのマラヤ大学がアジア59位、筆者が卒業したマヒドン大学がアジア97位と2校しかランクインしていませんでした。

さて、今回はタイの電子機器メーカーの「お悩み」です。

当該企業の現地法人社長は、タイの永住権を持っている日本人でタイ語もできるベテランの方です。

筆者がタイ駐在中にお世話になった方で長きに渡り会社のオペレーションを任されています。

最近はベトナムやフィリピンでも賃金上昇の波が来ており、2年前に採用した方の給与水準が、後から採用しようとしている方の労働市場での平均値を下回ることが起きておいます。

タイの政府機関の方と話しますと、「タイを単なる生産拠点でなく、知識産業の拠点としてみてほしい」と知識産業の担い手、つまり工賃賃金の人を育てて欲しいという声をよく聞きます。

気持ちはわかるのですが、タイに進出している日系企業としてはまだまだ、そのような人材を育てるよりは、会社の業績を維持する為のスタッフを必要としています。

当該企業の人事担当者(現地社長)は、勤続10年のスタッフの給与と新規で採用したスタッフの給与のバランスについて筆者に相談されました。

新規で採用したスタッフの希望給与は、既存の社員とのバランス。

つまり10年社員の給与水準を超えない様に設定し、試用期間後調整をする予定でした。試用期間を超える前に本人の希望を聞いた所、大幅なアップを求められました。

評価としては非常に良く、また採用にも時間とコストがかかっており、ここで辞められたらまた採用に労力を取られてしまいます。

日本企業の特徴としては、「年功序列」制度が企業DNAのような形で残っており、勤続年数の高い方を大切にする企業文化があります。

そのような背景もあり、当該企業はベテランと新人との給与の「バランス」をどうするかで悩まれました。

そもそも、バランスを保つことが企業の成長にとって必要なのでしょうか?筆者がセミナーで講演する際に「ひいきの採用」を説くことがあります。

良いと思った人材に待遇を良くして採用することです。

給与テーブルを遵守していくことも重要ですが、労働市場を鑑み、必要な人材に「先行投資」すべきです。

そのようなアドバイスをした結果、当該企業は試用期間後の給料をほぼ要求通りに上げ、10年社員には「功労金」としてボーナスを支給し、「バランス」を保ちました。

時に「バランス」の壁を破ることは東南アジア現地スタッフにとっては「フェアー」になり「良いこと」になります。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年9月7日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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