シンガポールと隣接しているマレーシアはシンガポールより国土もほぼ日本の総面積と同じくらい広く、また人口も3120万人とシンガポールの5倍以上です。

シンガポールは1965年にマレーシアから分離独立し、通貨価値は当初は同等の価値がありましたが、今は1シンガポールドルで3リンギットを交換できるようになり、経済格差は通貨価値で見ますと3倍の格差が広がっています。

現在、そのマレーシアとシンガポールを高速鉄道(新幹線)で結ぶプロジェクトが動き始めいます。

「クアラルンプール=シンガポール高速鉄道計画」は2010年にスタートし、当初2015年には着工の予定でしたが、2020年までに建設することで同意されました。

2017年12月に入札が行われ、日本の新幹線が有力とは言われていますが、中国や欧州も売り込みをかけており、日本サイドもインドネシアの新幹線入札でほぼOKが反転中国に取られたという苦い経験を活かし今回は是非頑張って頂きたいものです。

さて、先号でも触れましたが、10月2日MOM(人材開発省)よりDP(家族ビザ)取得の為の条件変更の発表がありました。

簡単に言いますと、2018年1月1日以降、EPを更新する人は月額給与が6000ドル以上無いと家族にDPを発行しないというものです。

いつもながら施行までの期間が短いのが驚くことですが、外国人雇用に関しては目まぐるしく規制を強めており、今までは労働許可証を取得する人を対象にしていましたが、遂にDP取得にも規制を入れ始めたのかととにかく今回の規制には驚きました。

DPを取得された方が合法的にシンガポールで仕事をする場合、LOC(Letter of Consent)日本語で言えば「承諾証」のようなもので、EPホルダーのEP期限に応じてほぼ100%取得ができます。

弊社でも数名の方のLOCを取得していますが、最近はほぼ無条件で取得できるのにも関わらず、許可が下りるまでの期間が以前は2,3日でしたが最近は10日程かかるようになりました。

かつてほんの5,6年前までは、シンガポールにおける日本企業では、駐在員をサポートする営業事務のポジションでは現地採用社員を3000ドル近辺で採用出来ており、MOMもEPを発給していました。

今は同ポジションでは学歴や年齢にも寄りますが5000ドル近辺でないとEP取得が出来ない状態です。

日本人を現地採用で採用する企業側のニーズとしては、1)コストカットを目的とした駐在員の代替人材、2)英語ができない駐在員とローカルスタッフの間に入るコーディネート人材、3)日本の商習慣や常識を持ちわせているコミュニケーション能力に優れた人材の三点が主に上げられます。

ではこの三点をローカルスタッフで埋められるかと言えばもちろんそのような人材はいるとは思いますが、「日本語」を使える人はいるものの、日本の商習慣を熟知しており、言わなくてもわかるような「常識」を持ち合わせた人材はなかなかいないのが現状です。

そこで前述DPホルダーの方にLOCを取得して、現地採用社員として採用したいニーズは高まっており、フリーペーパーの人材紹介会社の広告を見ますと「奥様就職セミナー」と宣伝しているところが目立ちます。

その背景としては営業事務等の事務員ではニーズはあるものの、EPを取得でき得る給与水準が高くローカルスタッフとの賃金体系を考慮に入れた場合、採用は出来ないということになります。

その代替人材としてLOCを取得したDPホルダーですが、この方々はフルタイムではなくパートでのお仕事を希望しています。

企業によっては夫に帯同している妻の海外勤務禁止を出向規定に入れているとこともあり、必ずしも需給バランスを満たしているとは言えません。

またこの規制により、ますますDPホルダーのフルタイムでの就業者数は減っていくことが予測されます。

とある企業では、既に総務ポジションの日本人現地採用を解雇して、総務の機能を外注していました。

EPを維持する為の給与が仕事の内容と合致しなくなってきたとの理由でした。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年10月20日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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