2017年も残すところあと僅かになってしまいました。

「月日が流れるのは早い」というのは最近の常套句でしたが、特に今年は早かったような気がします。

2017年の東南アジアを振り返りますと、ミャンマーのロヒンギャ問題が若干大きなニュースとなりましたが、幸いテロ(未遂)や大きな自然災害もなく比較的「穏やかな」1年だったのではないでしょうか?

シンガポールとしてはやはり初めてのMRT衝突事故でしょうか?

マイナス的なニュースは報道規制が入りあまり広められませんが、今年のMRTに関しては運行の過密さにシステムが追いついていない事が露呈されました。

年末に改善する為、日曜日の運行を一部止めて徹底的にシステム改善をする計画です。

来年はまともに動いて欲しいものです。

さて、シンガポールの労働事情に関しましては、2017年は様々な変動がありました。

時系列的に述べて参ります。また2018年の展望も最後に触れて参ります。

1) 1月1日 よりEP取得の最低給与基準が3,300ドルから3,600ドルにアップ

外国人労働者の流入規制を更に強める目的で基準をアップ。

ただ、実質は3,600ドルでEPが下りる人は殆どいません。

日本人で言えば、地方国立大卒業の25歳でも4,400ドルがないとEPが下りません。

2) 「ウォッチリスト」の厳格化によりシンガポール政府の本気度を知る

「シンガポーリアン・コア」(シンガポーリアン・ファーストという言葉もありましたが、コアに代わっていました。)を全面的に打ち出し、シンガポール人雇用に積極的でない企業が狙い撃ちにされ、「ウォッチリスト」に掲載されました。

①の規制で効果が出てこないことからついに「さらし首」的な政策を取り外国企業に対して毅然とした態度を取るようになりました。

行政指導ですので罰金刑ではありませんが新規EPの発給が出来ない等、少なからず影響はありました。

3) 7月1日より再雇用法年齢を67歳まで引き上げ

日本でも公務員の定年を2019年から段階的に65歳まで引き上げる予定ですが、シンガポールもついに少子高齢化から超高齢社会に人口構造がシフトしていく中で、健康上問題なく、業務に支障のない場合は、再雇用を検討しなければなりません。

再雇用が難しい場合は、再雇用支援金を企業は拠出しなければならなくなりました。

4) 整理解雇に関する規制が発表(企業による解雇権は引き続き保持)

余剰人員の責任ある人員削減(RESPONSIBLE RETRENCHMENTという慣れない表現を使っています。)については、最終的な手段で整理解雇が不可避の段階に達した場合、責任ある態度で解雇を行うと従来の解雇権とそれほど変わりませんが、従業員が10名以上の企業で6ヶ月以内に5名以上を整理解雇する場合はMOMへの通知が義務になりました。

またグギを刺すように、解雇の対象者がシンガポール人中心になっていないかどうかを厳しくチェックするとあります。

これも「シンガポーリアン・コア」政策の一環です。

5) 5年で初めてEPの発給数が前年12月と比べマイナスに

徹底的な規制を重ねてきた結果、EP(Sパス含む)の発給数が6月時点で、5年間で初めてマイナスに転じました。

通常は12月末の統計数字を取りますが、異例とも言える6月末時点での発表でした。

担当官は早く「成果」を発表したかったのでしょう。

ダメ押しにDPの発給条件厳格化を10月1日に発表し、LOCで働くDPの数を減らし、そのポジションをシンガポール人雇用に置き換えようとしています。

もはやここまで徹底していますと、外国企業は人員配置を見直し、外国人雇用ありきではなく、バランスの取れた事業体制を2018年にも素早く構築する必要があります。

来年も「人財羅針盤」をよろしくお願い致します。良いお年をお迎え下さい。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2017年12月21日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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