先月より韓国の平昌(ピョンチャン)で開催されていた冬季オリンピックが閉幕になりました。

日本選手団の活躍は、カーリングやスピードスケート、羽生選手のオリンピック連覇など、海外に住む日本人にも感動を与えくれました。

熱帯の東南アジアでも選手が参加していました。

シンガポールは1名の選手がショートトラックスピードスケートの競技で参加していました。

結果は予選敗退でしたが、シンガポールとしては初めての冬季オリンピック参加となりました。

マレーシアも2名の選手が初参加しました。

しかしながら冬季オリンピック自体が東南アジアでは関心が薄く、マスコミでもほとんど取り上げられなかったです。

「参加することに意義がある」とはよく言われていましたが、東南アジア諸国も冬季オリンピックには出続けて欲しいものです。

さて、このコラムの1月11日掲載第87回で、「2018年シンガポールの外国人労働者規制の展望」を述べました。

「・・・気を抜けない状況が続きます。」と。

日系社会では、ついにMOMがEP1名につき2名のシンガポール人雇用を義務付ける「最終手段」に出るのではないかとの噂が飛び交っていました。

というのも、雇用に関しましては、シンガポーリアン・コア政策を強固に進めており、「ノーリターン」と宣言し、もう後戻りしないと鼻息荒く政策を進めてきました。

企業の組織内のシンガポール人雇用比率を3分の2にするように求めており、従わない企業には「ウォッチ・リスト」に載せて、改善を促すことをやってきました。

日記企業では、中堅商社や(工場を持たない)メーカー等が「ヤリ玉」にあげられました。

先般ついに大手企業にも「ウォッチ・リスト」が適用されました。

この大手企業はグループ企業で、これまでシンガポール経済に多大なる寄与をしてきた企業で、当然ながら多数のシンガポール人雇用をしております。

この「ウォッチ・リスト」は無作為に抽出するとのことですが、シンガポール経済・社会に貢献している企業は確固とした基準はないものの暗黙の「例外」となるはずでした。

抽出した500社の内150社が人事制度を改善し「リスト」から外れましたが、残りの350社の内、60社は非協力的で改善の兆候は見られなかったと発表しました。

そもそもこの60社はシンガポールに拠点を構える意志はなく、他の国に移転することを考えていると思います。

他の国に移転した企業もシンガポールには「ノー・モア・リターン」でしょう。

さらに、今までは従業員数が26名以上の企業はEPを取得する際に、JOBS BANKに同じポジション、待遇を掲載し、シンガポーリアンに同等の雇用機会を与えることを義務付けました。

駐在員のEPを取得するために仕方なく機会的に掲載している企業が多く、ほぼ有名無実化していました。

嫌な予感はしていましたが、遂に25名から10名に大幅に対象人数を今年の7月1日から下げる決定をしました。

またこの掲載免除の給与額を現行の12千ドルから15千ドルに引き上げました。

25%のアップです。

もう一つ、Sパスの最低給与基準を現行の2,200ドルから2019年の1月より2,300ドル、2020年の1月より2,400ドルに上げるとの発表がありました。

このような「奇策」を次々と出していく背景には、PMET職が外国人に奪われており、40代後半~50代前半の再就職率(6ヶ月以内に仕事を見つけられる率)が著しく低下していることが影響しています。

昨年6月末の統計では過去5年間の統計で初めてEPの取得件数がマイナスに転じましたが、12月末の数字の発表はまだ出ていません。

恐らく<成果>が出ていないので、まずは「奇策」を発表し、シンガポーリアン・コアはやっていることを国民に示した上で数字を出すのではないかと推測します。

公正かつ斬新的な雇用慣行を示すことは良いことかもしれませんが、自由競争、雇用の流動性で成長してきたシンガポール経済に逆に楔を打つのではないかと危惧しています。

日系企業の方々からは「シンガポール人だけで経済を繁栄させられるはずがない」といった声が聞かれます。

弊社斉藤連載中Daily NNA 2018年3月8日号「東南アジア人「財」羅針盤」より抜粋


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